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メモ日記「生活」14

#280  不適切な訳語

 私は、物を書くのが好きなわりには、知識が不正確で、その上面倒くさがりだから、ろくに知らない事でも調べないままで書いてしまう性癖がある。だから、書いたものを公の場で提出することがやりにくい。まあ、私の場合は、書くことで思考の整理をすればそれでいい、というだけだから、書いたものが永遠に埋もれても、それで文句はない。ただ、自分の不正確な知識が、自分だけのせいではないという場合は、少々問題だとも思う。それは、同じような誤解がそのまま社会に流通する可能性が高いからである。
具体的に言うと、エリオットの「客観的相関物」という言葉である。私は、これを、作者がある漠然とした心情や思想を作品として形成する際に、それを具体的な事物の形で表現することだと思っていた。たとえば、「寂しさ」をそのまま「淋しい」という心情語で表現するのではなく、「青い空を漂う雲」のような具体的事物で表現することであろうと。だが、これはその原語が「objective correlative」であることを知らなかったためである。もしもこの原語を知っていたら、「correlative」から「correct」をすぐに連想し、これは「適切な対応物」とするべきだと判断でき、エリオットが「『ハムレット』は、主人公の感情に対応するobjective correlativeが無いから失敗作だ」と言った、その趣旨を、最初から分かっていただろう。(現代では、インターネットのおかげで、無知がすぐにばれるから怖いことだ。)

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